輸血は、血液成分の欠乏あるいは機能的に低下した時、その血液成分を補充する治療法であり、その輸血による副作用を防ぎ、安全な輸血を行うことを目的とし、輸血する血液が患者様に適合するかどうかを調べる検査が、輸血検査です。
検査科では、次のような検査を行っています。
さらに輸血時は、GVHD(輸血後移植片対宿主病)を防ぐ放射線照射済の血液製剤を使用し、また血液製剤の保管状況、患者様の検査データをコンピューター管理することにより、より安全な輸血を行う努力をしております。
また、あらかじめ手術が決まっていて、貧血や重症心疾患等がない患者様には、ご自身の血液を計画的に貯蓄していただき、必要時にそれを使用していただく自己血輸血の保管もさせていただいております。
輸血する際に、同じ血液型の血液を輸血するため、患者様の血液型を調べる検査です。
血液型検査は、ABO式血液型とRh式血液型の2通りの検査を行っています。
日本人におけるABO式血液型の割合は、A型40%、O型30%、B型20%、AB型10%と言われています。
またRh式血液型においては、Rho(D)陰性は日本人の約0.5%しかいない、たいへんめずらしい血液型です。
つまり、A型・Rho(D)陽性という血液型が、日本人には最も多くみられる血液型ということです。
不規則抗体検査とは、ABO式血液型以外の抗原に対する抗体のことで、輸血副作用の起こる可能性の抗体の有無を調べる検査です。
不規則抗体は、輸血歴や妊娠歴などのある人に見られる免疫抗体と、何ら免疫刺激のない人に見られる自然抗体があります。
臨床的に意義のある抗体を輸血前に事前に検出し、患者様に適合する安全な血液を確保するために検査を行っています。
ABO式およびRh式血液型が一致した血液を輸血したとしても、そのまま輸血を行うと輸血副作用(溶血性など)を起こす可能性があります。
それを防止するため、輸血する前に、血液製剤と患者様の血液が、適合するかどうかを調べる検査です。
輸血の際にはかかせない、非常に重要な検査です。