ある日突然、身体の半分が動かなくなったとき、真っ先に脳梗塞を疑うと思います。
しかし、その麻痺が顔だけで、検査をしても脳梗塞を否定された場合、「末梢性の」顔面神経麻痺の可能性があります。
顔面神経麻痺には「中枢性」と「末梢性」があります。
「中枢性」は、脳梗塞によって生じた顔面神経麻痺のこと、「末梢性」は、ベル麻痺、ハント症候群といったウイルスの活性化によって生じた、あるいは外傷や神経炎によって起こる顔面神経麻痺のことです。
麻痺が生じると、鏡で顔を見ると口元がゆがんでいる、目が閉じられない、水を飲むと口からこぼれるといった症状が現れて、日常生活に支障が生じます。
そのほかにも味覚障害や聴覚過敏を訴えられる方もみえます。
当院では「末梢性」の顔面神経麻痺と診断された場合、耳鼻いんこう科で誘発筋電図検査を行い、リハビリテーションが開始されます。
顔の筋肉をむやみやたらに動かすことは予後を悪くしかねません。
神経の再生には3、4か月かかると言われています。
顔の筋肉の神経ができるだけ元通りになるように段階的にリハビリテーションと自主練習の紹介を行っていきます。
元通りにならず、顔がアンバランスになり、後遺症が残ってしまった方にはボツリヌス注射治療をした後に神経・筋の再教育としてリハビリテーションを継続することもあります。
何年も前に顔面神経麻痺を発症され、ずっと治療を受けてこられなかった方でも治療・リハビリテーションを受けてみえますので、お悩みの方は、当院、耳鼻いんこう科へご相談ください。