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チーム医療

感染制御チーム(ICT)

当院ではICT(感染制御チーム)に4名の薬剤師が参加しています(日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師1名)。 医師、看護師、臨床検査技師と協力し、院内感染の発生、伝播予防に取り組んでいます。
ICTでは定期的に院内を巡回し、特に薬剤師は消毒薬が適切に使用されているか、各部署に配置されている薬品が適切に保管されているか、病棟・外来での注射薬のミキシングが清潔に行われているかなどを確認し、各部署スタッフへ指導・助言を行っています。
また、ICTメンバーによるカンファレンスも定期的に実施しており、院内感染発生のリスクが少しでも減少するよう、対応策やマニュアルの整備について協議を行っています。

感染制御チーム

抗菌薬適正使用支援チーム(AST)

AST(抗菌薬適正使用支援チーム)に4名の薬剤師が参加しています(日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師4名)。 抗菌薬が効かない薬剤耐性菌による感染症が世界中で問題となっており、一つ一つの病院がしっかりとした対策をとることが求められています。 当院では耐性化が問題となっている抗菌薬の使用症例や、敗血症などの重症感染症の症例に対して、医師、看護師、臨床検査技師と定期的にカンファレンスを行っており、改善点があれば主治医へ提案を行っています。 また、当院での抗菌薬の使用動向や耐性化率の調査を行っています。

栄養サポートチーム(NST)

NSTとは

「Nutrition Support Team」の頭文字をとった略称で、日本語では栄養サポートチームといいます。 低栄養など栄養管理の必要な患者さんに医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・臨床検査技師などの専門スタッフと事務スタッフが連携を持ち、それぞれが知識や技術を出し合い、最良の方法で栄養支援をするチームです。 早期に栄養障害を発見し、栄養管理をすることにより、病状の悪化、合併症、二次的感染症などを予防することが出来ます。

NSTとは NSTラウンドの様子
NSTにおける薬剤師の役割
  • 栄養薬剤の選択・適正使用法の指導
  • 経静脈栄養剤の側管投与法・薬剤配合変化の指摘
  • 経静脈輸液適正調剤法(全調剤含む)の取得
  • 栄養スクリーニングによる抽出患者のアセスメント
  • 経静脈栄養の詳細なプランニング
  • 経腸栄養剤の衛生管理・適正調剤法の指導
  • 栄養療法に関する合併症の予防・発症時の対応
  • 誤投薬の予防・チェック
  • 栄養療法に関する問題点・リスクの抽出
  • 栄養薬剤についての患者・家族への説明・指導
  • 在宅栄養・院外施設での栄養療法の普及
当院のNSTの特徴・薬剤師の役割
  • 医師・薬剤師・看護師・管理栄養士・言語聴覚士・歯科衛生士に加えて、外部より歯科医師が同行し回診を行っています。
  • 薬剤師が回診時やカンファレンスの司会・進行を行うなど、積極的に参加しています。
  • 輸液だけでなく、栄養剤も含めた栄養評価をソフトにて行うことにより、全ての薬剤師が栄養評価を行えるようバックアップをしています。
  • 学会等の勉強会に積極的に参加し、NST専門療法士・臨床栄養代謝専門療法士等の資格を取得したスタッフが在籍しています。
輸液・栄養剤分析

緩和ケアチーム

緩和ケアとは?

緩和ケアとは、がん患者さんの体や心のつらさを和らげ、生活やその人らしさを大切にする考え方です。 がん療養中は、痛みや吐き気、食欲低下、息苦しさ、だるさなどの体の不調、気分の落ち込みや絶望感などの心の問題が患者さんの日常生活を妨げることがあります。
これらの問題はがん療養の経過中、程度の差はあっても多くの患者さんが経験します。 緩和ケアチームではがんによる身体的な痛みはもちろん、精神的・社会的・スピリチュアルな苦痛についても包括的に、さらに患者さん自身だけではなくそのご家族をもサポートするためのチームです。

緩和ケアチーム
当院緩和ケアチームの活動・特徴

がんを患う患者さんや支援するご家族の多種多様な苦痛を緩和するために、多職種(医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士など)で構成されたチームです。
週1回、チームでカンファレンスおよび回診を行い、主治医や多くの医療スタッフと連携して治療に取り組んでいます。 薬剤部からは2名の薬剤師がチームメンバーとして参加しています。
患者さんとその家族にとってできる限り良好なQOL(生活の質)を実現させるためにチーム一丸となって活動しています。

緩和ケアにおける薬剤師の役割

緩和ケアチームにおいて薬剤師は、疼痛や副作用などの症状に合わせた薬剤選択の提案、オピオイドの投与量や投与経路変更に伴う薬剤間の変換用量の提案などを行っています。

褥瘡対策チーム

当院の褥瘡チームは医師と専属の看護師、薬剤師、作業療法士、管理栄養士によって構成され、褥瘡のある患者に対して、患者の同意に基づき担当医師からの依頼を受け、週1回の褥瘡回診を行っています。
褥瘡回診では、褥瘡の評価、管理・治療方法の指導やアドバイス等を行っています。
その中で薬剤師は、主に下記の業務を行っています。

  • 1. 褥瘡の状態を評価し、薬剤の提案をしています。
    (病院共通の評価ツールとして使用しているDESIGN-R(R)評価に沿い、層の深さ、浸出液の程度、大きさ、感染兆候、肉芽の状態、壊死組織の有無を確認し、外用剤の薬効成分だけでなく基材まで考慮した薬剤の提案を行っています)
  • 2. 薬剤の使用方法を確認しています。
    (回診時に実際の薬剤塗布量を見て、過量もしくは過少でないかの確認や、適切な処置回数かどうかの確認をしています。また、皮膚のよれによる創部の変形が大きい場合には、テープ固定を行い、外用剤を創部に滞留させる工夫を考慮する等、処置方法について多職種で協議しながら提案を行っています)
  • 3. 複数の外用剤を同時に使用する場合の薬剤の安定性について情報提供しています。
  • 4. 看護師を中心とした院内スタッフに薬剤の講習会を行っています。
褥瘡対策チーム

認知症サポートチーム(DST)

DST(Dementia Support Team)認知症サポートチームについて

認知症患者数は、団塊の世代が後期高齢者となる2025年に全国で700万人(全人口の約5人に1人)になると予測されており、当院でも認知症や認知症を抱えながら他の病気で入院する患者さんが増えてきています。
当院では、2018年度から認知症サポートチームとしての活動を開始し、 1.「適切な予防や初期介入を行うことで、患者の心理的・身体的な苦痛を軽減する」、 2.「病棟における認知症ケアに関して多職種で検討し、認知機能障害の悪化を予防し、身体疾患の治療を円滑に受けられるようにする」、 3.「認知症患者の病棟における対応力とケアの質の向上を図る」を目的として活動しています。

認知症サポートチーム(DST)メンバー
  • 医師: 1名
  • 認知症看護認定看護師: 1名
  • 薬剤師: 1名
  • 言語聴覚士: 1名
  • 社会福祉士: 1名
  • 管理栄養士: 1名
認知症サポートチームメンバー
主な活動内容
  • 1. 環境の調整や認知症状の改善、悪化防止を目的として、週に1度(毎週木曜日の午後)カンファレンスと病棟ラウンドを行い、改善点を話し合う。
  • 2. 患者さん一人ひとりのケアプランを病棟スタッフと共に検討する。
  • 3. 認知症、せん妄関連の薬剤調整のアドバイスを行う。
  • 4. 認知症ケアやせん妄に関する研修会の企画・実施を行う。
  • 5. 認知症や、せん妄関連の業務マニュアルの作成や実際の運用方法を検討する。
DSTにおける薬剤師の役割(当院の特色)

患者さんやご家族、加えて主治医等の医療スタッフに対して、説得ではなく納得に繋がる薬学的介入を心掛けて活動をしています。
当院では現在、精神科医師が不在のため、せん妄治療や不眠症治療、さらには終末期の精神的苦痛の緩和など幅広い症例に対してDSTとして介入しており、認知症に使用する薬剤だけではなく、不眠症治療薬や向精神薬など様々な薬剤の適正使用が行えるよう、情報提供と薬学的介入を行っています。

糖尿病チーム

患者さんに糖尿病の理解や知識を深めて頂き、前向きに自身の治療に取り組めるよう多職種の方とサポートしています。 薬剤師は主に病棟での教育指導、外来での自己注射指導を中心に支援しています。
また当院では毎週月曜日(祝日を除く)に糖尿病教室を開催しており、医師・看護師・管理栄養士・理学療法士・薬剤師がローテーションで講師を担当しています。
他職種との研修会や糖尿病内科の医師が講師となり糖尿病療養指導士の取得を目指す方への勉強会なども開催しています。

糖尿病チーム 糖尿病教室の様子